ガスの機器の取扱説明書 親しみやすさの追求
1993年(平成5年)11月10日 日経産業新聞掲載
使う人の安全を守る役割を持つガス機器の取扱説明書が、親しみやすいものに改善されつつある。ガス機器は各メーカーが製作し、ガス会社の認定を受けて販売しているが、東京ガス、東邦ガス、大阪ガスのガス三社は、九月に取扱説明書の基準を作成し、ガス機器メーカーに配布した。
この作成基準書の前身となったのは、東京ガスが平成元年に作成し、配布した作成基準書。「基本的な記載事項や表現方法などの例を盛り込み、かなり詳細に規定した」と東京ガスの商品技術開発部商品企画グループの黒川みどり氏は語る。ところが、全体のレベルを底上げする一方、逆に会社独自の工夫が減り「発展性のないものになる危ぐがあった」と黒川氏。そこで今回の作成基準は、体裁や記載事項など必要最小限の基本的な事項に絞った。その結果、基準書は守られ、寸法については他の家庭の電気製品のマニュアルでも多く使われていて、読みやすいA4版サイズへの移行が進みつつあるという。
同社では、取扱説明書のガイドラインを作る一方で、優れた例を増やしていくために取扱説明書のコンクールも始めた。昨年九月開催の第一回コンクールには十社十七作品が応募し、優秀な作品が選ばれた。審査員には商品技術開発部だけでなく、ユーザーの立場からモニターや東京ガスのOBの女性にも加わってもらい、読ませる工夫、わかりやすさ、デザインなどを評価した。
審査では、「女性の制作者が多かったのが印象的」と黒川氏。単に機能の説明をするだけでなく、使う側の視点を取り入れた取扱説明書が増えているという。優秀作品には、イラストを使って読みたくなるような雰囲気づくりがあり、項目の探しやすさにも工夫が見られる。 コンテストは社内外で取扱説明書の重要さをアピールするきっかけにもなった。今年も十二月末を募集締め切りとして、二回目を準備中だ。
