時間とコスト 大幅に削減 DTP、データ化に強み
1994年(平成6年)3月30日 日経産業新聞掲載
パソコンを使ったDTP(デスクトップパブリッシング)の利用がマニュアル製作の現場で進んでいる。フォーマットの決まったレイアウトを使い、製品によってはページ数が膨大になるマニュアル製作で、時間とコストを削減できる。
これまでは、原稿の執筆から始まり、レイアウト、版下作成といくつもの工程があり、それぞれ別々の専門家が行ってきた。DTPなら、これに代わって一人の人が原稿作成から印刷する前までの工程を、パソコンの画面上で見ながら一貫して作業できる。
その結果、製作時間を短縮し、コストも安く抑えられる。特に、開発期間が短いコンピューター関連製品については、マニュアル製作時間の短縮は、製品発売を早めることができるため、戦略的にも重要だ。
しかし、DTPをマニュアルや広告物の製作に活用するシーディーボックスの岩崎祟代表取締役は「DTPの利点は単に納期やコスト削減だけでない」と語る。「文章も図もデータ化できる点が最も大きな違い。改版など再利用の際に差がついてくる」と指摘する。
さらにデータ化されていれば、画面上で操作方法などを参照できるオンラインマニュアルにも転用しやすい。慶昌堂印刷の盛昌義グラフィックルーム室長は「こうしたDTPの活用によって、将来的にはマニュアルの流通形態も変わる」と予測する。
データを転送し、各地の拠点で出力して配送すれば、現在の在庫や配送にかかる時間やコストが大きく変わると見る。 「必要な部数を必要な時に、現地で印刷するオンデマンド印刷が伸びるだろう」と盛氏。米国では昨年からソフトウェアのマニュアルで、注文に応じて出力して届けるオンデマンド印刷が始まっているという。
