日本IBMのCD-ROM搭載のパソコン ハード編
1994年(平成6年)4月28日 日経産業新聞掲載
中学生まで守備範囲広げる CD-ROM(コンパクトディスクを利用した読み出し専用メモリー)駆動装置を搭載したマルチメディア型パソコンの売れ行きが好調だ。
日本アイ・ビー・エム(IBM)のPS/V Visionは、同社のエンドユーザー向けパソコンでCD-ROM駆動装置を搭載した初のモデル。昨年11月の販売以来、好調な出荷を続け、顧客カードによると購入者の90%が個人で、新たなユーザー層を開拓している。
本体添付のマニュアル製作を担当したアイメイトのハードウェアインフォメーションプロダクト開発本部の藤原敬子氏は、「中学生をも読者対象としていたため、文章をやさしく、イラストを多用した」と語る。また、余白を多めにして見やすくし、初心者に必要な情報を絞って記述している。
この結果、接続から基本的な使い方までをまとめた41ページのユーザーズガイド「セットアップ編」と、オプションの取り付けや応用知識などをまとめた85ページの「応用編」の二分冊になった。セットアップ編の冒頭には、カラーページを使って、マルチメディアパソコンが広げる可能性を見せている。
初心者にも理解しやすい点が評価される一方、パッケージに同梱(こん)されている基本ソフトやCD-ROMソフトに関する情報を求める声も多い。こうしたソフトは他メーカー製品を入れているため、各マニュアルの記述はまちまち。 「新製品なので、何をパッケージするかギリギリまで決まらなかった。
今後はCD-ROMソフトのインストールなど、カバーできる部分は本体マニュアルに反映させたい」とアイメイト取締役本部長の緒方忠教氏。同社は昨年7月に日本IBMのテクニカルライター部門を分離独立させて発足した。大和事業所の各事業部から受注し、各種マニュアルの製作を行うほか、他社のハードウェア、システムのマニュアル製作も受注している。
ウィンドウズ環境によってパソコンが使いやすくなり、ユーザーが増える一方で、初心者ユーザーはどのマニュアルを読んだらよいのか迷っている。「すべてのユーザーニーズをハードウェア添付マニュアルで満たすのは不可能。ハードとソフトをつなぐ、まさにユーザーが困っている情報をまとめて出版するのも、別会社ならできるはず」と緒方氏は新たな方向を探っている。
