マニュアルとCS より具体的な活動へ
1994年(平成6年)6月23日 日経産業新聞掲載
数年前から(カスタマーサティスファクション)と呼ばれる顧客満足度向上が、売れない時代のキーワードとなっている。
わかりやすいマニュアルがCS向上のかなめになると、CS専門組織を設置したメーカーがいくつかある。
松下電器産業は、昨年5月にCSマニュアルセンターを設置し、取扱説明書づくりを強化してきた。同社では取扱説明書を各事業所で作成しているが、CSマニュアルセンターは品質本部内にあって各事業所を支援する一方、全社的なガイドラインづくり、標準化に携わっている。
普及している製品を中心に、機能本位の説明ではなく、顧客の立場に立った取扱説明書づくりを提唱してきた。 画像と音の迫力で、新しいゲーム機と注目を集めている同社の3DO・REAL(リアル)の取扱説明書も、CSマニュアルセンターからのアドバイスが反映されたもの。A4判と大きめのサイズに、図が豊富に使われ、接続も基本操作も見ただけでわかるように工夫されている。 同機はパソコン並みのCPU(中央演算処理装置)を持つマルチメディア機器。
事業部が最初に作成したものは、「コンピューターのマニュアルのようなものだった。CSセンターが意見を出して、家電の取扱説明書のイメージで改善した」と同社広報本部の津村賢一氏は改善の経緯を説明する。 情報を整理してビジュアル化した結果、最初のページを見て何ができるかをイメージできる。
本体の付属物を確認することが前の方にまとまっており、顧客の知りたいことや、行うべきことの順番に沿った内容となっている。今後も、各製品でビジュアル化を進め、賢い使い方を盛り込んだ、顧客にやさしい取扱説明書に取り組むと津村氏。
NECもCS品質推進部を設け、毎年フォーラムを開いてマニュアル品質向上の啓もうを行ってきた。 今年はCSセミナーとして、マニュアルを扱う部署のマネジャーを対象に、より具体的な活動へ踏み込んでいる。
第1回CSセミナーを5月30日に開催し、Csのためのマニュアル発行マネジメントをテーマに200人弱を集めた。富士ゼロックスのドキュメントエンジニアリング部の発表も含め、工程や予算のマネジメントに関心が集まっていた。
