オンラインマニュアル 動画・音に対応、米で実用化も
1994年(平成6年)10月20日 日経産業新聞掲載
営業担当者のためのサービルマニュアルや、保守・点検の作業に使うメンテナンスマニュアルは、一般のユーザーマニュアルと比較にならないほど膨大だ。
マニュアルを必要とする会社にとって、製作・更新のコスト削減は今や急務。解決策のひとつとして、電子化したオンラインマニュアルが使われるようになってきた。最新のマルチメディア技術を駆使して動画や写真、音にも対応できるようになり、米国ではすでに実用化が進んでいる。
医療診断用イメージシステム製造会社、ピッカーインターナショナル社(オハイオ州)では、サービスエンジニアが客先の病院や診療所にラップトップパソコンを持参する。そして、パソコンに搭載したオンラインマニュアルを利用して、MRI(核磁気共鳴画像装置)、CT(コンピューター断層撮影装置)スキャンなどの保守・点検を行う。これだと、マニュアルで探したい個所が瞬時に検索でき、作業時間を短縮できる。また、正確で迅速な対応によって、サービスの質が向上し、顧客の信頼感も高まっているという。 コスト面でも紙マニュアルの場合一セット五百ドルだったが、新方式だとフロッピーディスクの配布だけなので800ドルで済むようになった。
鉄道会社のアムトラック社(デラウェア州)では、ウィルミントン工場に車両を修理するための電子マニュアルを用意している。車両保守の作業の現場では一つの車両について平均14種類ものマニュアルがある。全工場にこれらのマニュアルセットを行き渡らせるのは難しく、現場では活用されていなかったのが実状。オンラインマニュアルなら、常に更新された最新の情報をセンターから引き出して利用することができるので利用頻度も上がる。 オンラインのドキュメントの中には、ビデオが付いているものがあり、必要な映像を呼び出して学習することもできるようになっている。
今後、マルチメディア機能を強化して、各地での教育、訓練に利用する計画もある。 これらの事例ではオンラインでマニュアルを検索、表示するシステム「WorldView」(米インターリーフ社)を使用している。日本語版はインターリーフジャパン社から十一月に発売される予定という。
