株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」1994

 

インターネットで配布サービス

1994年(平成6年)12月 22日 日経産業新聞掲載

 日本でもUNIX関連で パソコン関連製品の業界でCD−ROM(コンパクトディスクを利用した読み出し専用メモリー)などで提供されるオンラインマニュアルが増えてきている。この一方で、パソコンに比べて分冊数が多いUNIX関連マニュアルやSE(システムエンジニア)向け保守マニュアルなどで、ネットワーク利用したマニュアルの配布が国内でも実用段階に入ってきた。

 富士通のマニュアル製作・教育サービス子会社、富士通ラーニングメディアでは、10月から富士通のUNIX系ソフトウェアのマニュアルを中心に、インターネットを通じて製品・操作マニュアルが検索、閲覧できるシステムの運用を始めた。まず富士通の社内運用から始め、95年3月までに一般のユーザーも利用できるようにする予定。 閲覧するためのビューアーと呼ばれるソフトは、インターネットの標準になりつつあるモザイクというソフトに対応、図版を含む該当ページが簡単に見られるようになっている。

 同社で電子化に携わる川端自人メディアサービス部ドキュメントサービス課課長はインターネットでの運用の狙いを「物流形態の一つ。従来の紙のマニュアル、CD-ROMも三種類を製品シリーズごとに用意し、顧客が選べるようにする」と語る。社内運用だけでも、全国に分散しているマニュアル管理スペース、物流コストが大いに削減できると期待する。今後は、マニュアルだけでなく、製品カタログや技術資料、ソフトウェア製品そのものも含めて、一つの製品に関する情報を次々と引き出せるように、整備していきたいという。当面製品ユーザーを対象とした有償サービスで始めるが、課金システムなどについては検討中だ。

 こうしたマニュアルのインターネットでの運用やCD-ROMでの配布を普及する背景となっているのが、文書整形言語(ページ記述言語)の一つSGMLの普及だ。従来は、製作物によってバラバラに原稿を作成し、レイアウトをしていたが、SGMLではタイトルや見出しといったタグの情報を、文章や図に加えておくことで、目的に応じた形で出力することができるようになる。 富士通でも90年からマニュアルなどのSGML化に取り組んでおり、CD-ROM版のサーバーのマニュアルも手掛けてきたことで、今回のインターネットでのマニュアル運用を開始する期間を短縮できたという。 製品情報やサービス情報をインターネットでの提供を始めた企業はNECやIBMなどもあり、今後はマニュアルのページをめくる代わりに知りたい情報を端末から引き出すという使い方が増えてくるだろう。