株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」1995

 

事務機器のPL法対策 業界ガイドラインがベース

1995年(平成7年)1月19日 日経産業新聞掲載

 昨年6月に設立した製造物責任、いわゆるPL(Product Liability)法が、7月1日に施行される。製品そのものの安全性はもちろん、ユーザーの安全を守るための情報提供ツールとして、取扱説明書やマニュアルの対応が急務となっている。

  コピー機やファクシミリ、シュレッダーなどを製造する事務機メーカーでは、日本事務機械工業会が九四年七月に作成した「事務機械/製品の安全確保のための表示に関するガイドライン」に対応したマニュアルの製作を始めた。同ガイドラインは、警告、注意などのマークを決め、どのように表示するかを示したもので、同様のマークの業界標準化を先行して進めている家電業界のガイドラインをベースに作成した。

 ガイドライン作成のワーキンググループにはメーカー十一社が参加した。メンバーの一人であるリコーでは、94年12月に発売したコピーとファクシミリの複合機「imagio CF355」などで、ガイドラインに記載されているマークや表記に準じたマニュアルを添付している。

 以前は、巻末に記載されることが多かった「使用上の注意」も読者の目につきやすい巻頭に記載されている。 同社でマニュアル製作を行っているドキュメントデザイン室の根岸英顕係長・技師は、「業界としての取り組みに加えて、以前から当社独自にガイドラインなどを作成してきた。そこに業界で決まった内容を盛り込んでいる」と語る。 ドキュメントデザイン室と全社的な組織の安全性推進センターが協力して、94年12月に製品安全基準を改定した。

 取扱説明書、カタログ、サービスマニュアルに関しては、たとえばタコ足配線に関する注意はこう書くというように、具体的な文章で表記方法が記載されているという。 こうした経験を通じて、「ガイドラインを作成しても、製品によっては具体的な記述がないと運用しにくいものがある」「カメラのようなサイズの小さい取扱説明書では、巻頭に注意書きが何ページもあると、ユーザーは知りたい操作の説明になかなかたどり着けない」といった問題が見えてきた。製作時に適用しやすいもの、ユーザーにわかりやすいものが今後の課題だという。日本事務機械工業会でも、よりきめ細かい表記方法などを記載したガイドラインを作成中だ。