CS向上へ、NECが対策 全社挙げて制作ガイドブック
1995年(平成7年)4月13日 日経産業新聞掲載
メーカーの多くは取扱説明書やマニュアルを、事業部ごとに作成している。この利点は製品に関する最新情報を把握しながら製作できるうえ、コスト管理がしやすいことだ。その一方で、企業としての統一したマニュアル品質の向上が図りにくい弱点がある。 半導体、システム製品、パソコンのようなパーソナル機器など幅広い製品を扱うNECでも、事業部ごとにマニュアルを作成してきたが、CS(顧客満足度)向上を目指して全社的なマニュアルの品質向上に取り組んでいる。
具体的に全社的な取り組みを始めたのは、94年初頭。役員、事業部長などが横断的に集まり、ドキュメント改善委員会を設立した。こうした活動を背景に、マニュアル制作部門の部長クラスが自主的に集まり、より実践的なマニュアル改善を横断的に行うCSマニュアル推進連絡会が九四年四月にスタートした。
今年の3月6日には本社のホールで、CSマニュアルセミナーを開いた。最新マニュアル事情の紹介のほか、連絡会が三月までにまとめたマニュアル制作ガイドブックは、パーソナル製品とシステム製品に分かれる。マニュアルの構成や内容が異なるためだ。パーソナルプロダクト編ではより良いマニュアルを作成するためのポイントと評価の観点が、実際のマニュアルのページの例示とともに解説されている。作成と評価のポイントは、財団法人パーソナル情報環境協会が発行した「マニュアル評価ガイドライン」の観点がベースになっている。
今後はこの制作ガイドブックを、実際のマニュアル制作現場で運用していく。セミナーでは、制作ガイドブックをまとめた担当者と司会者が、その狙いや内容についてQ&A方式で展開した。「当日の参加者のアンケートでも、約七割がこの制作ガイドブックが今後の業務に役に立つと答えた」とCS品質推進部の高井克美主任は語る。会場からも、運用の際にどのような注意が必要なのか、将来的には電子化を期待する、など活発な意見が出た。 同連絡会は今後、運用の中からあがってきた課題を踏まえて制作ガイドブックの改善作業を続けるとともに、社内のマニュアルコンクールやテクニカルライターの資格制度などに積極的に取り組んでいくという。
