電子マニュアル
1996年(平成8年)5月23日 日経産業新聞掲載
CD-ROMやインターネットの普及により、マルチメディアを利用した製品やサービスが身近になっている。マニュアルもこうしたマルチメディア環境に応じて「電子マニュアル」と呼ぶ形態が増えている。 財団法人パーソナル情報環境協会はこうしたマニュアルの変化に対応、「マルチメディア環境におけるマニュアル進化に関する動向調査」報告書を3月にまとめた。
内容は電子マニュアルの利用者へのアンケート調査の集計・分析と電子マニュアルに取り組む企業調査が柱となっている。 パソコン利用者が中心となっている利用者アンケートでは、電子マニュアルの「場所をとらずに手軽に利用できる」「操作しながら画面で見ることができる」ことを紙の説明書に比べた利点と考えている人が約半数。
しかし現状の不満な点として「必要な情報が探しにくい」と感じている人が多い。 パソコンの利用者にとっては電子マニュアルは身近な存在になっており、それだけに期待も不満もあることがうかがえる。
企業調査では家電、コンピューターメーカー、ソフトウエア会社など電子マニュアルに積極的に取り組んでいる6社を面談調査し、電子マニュアルの取り組みや紙マニュアルとの使い分けなどを聞いている。 報告書の中では初心者向きの電子マニュアルでは音声や動画を使い、初心者が親しみながら理解できるように力を入れていることがわかる。
技術進歩が早く、伝える情報が増加している昨今、多様な表現方法を使って伝達することが可能な電子マニュアルへの期待が膨らんでいるようだ。 機能を説明するタイプの電子マニュアルは、印刷・流通コストが節約できることへの期待から利用が進んでいる。
ソフトウエア会社は電子化されたあとは流通方法も重要だとして、パソコン通信サービスネットワークを通じたアップデートなども始めている。 今後はマニュアルの標準化も含め、ユーザーの特性やレベルに応じたよりやさしい電子マニュアルが登場してくることだろう。
