株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」1996

 

楽しみながら理解深める

1996年(平成8年)8月22日 日経産業新聞掲載

 家庭のパソコン普及率の高まりを背景に家族で楽しめるソフトが増えてきた。富士通の「TEO もう一つの地球」もこうした新しいエンタテイメントのソフトの1つ。「TOWNS版」に続いて「Windows95版」が発売になった。

 ユーザーは「フィンフィン」という名前のキャラクターと画面の中でコミュニケーションを楽しむ。パソコン画面の中で熱帯魚を飼育するゲームがヒットしているが、このTEOはさらに一歩進めて、話しかけたり、好物を与えることで次第になつくといったインタラクティブな要素を取り入れている点が新しい。 インタラクティブ性の工夫について電脳エージェントプロジェクト部の村上公一課長は「どのくらい長く飽きないで使ってもらうかが大切。

 フィンフィンを取り巻く環境や他の生物も含めた世界を作っていったら、キャラクターが生き生きと動き出してきた」と説明する。 今までにないソフトのコンセプトを理解してもらうための工夫はマニュアルと画面の操作性にもあらわれている。カラーページを含むマニュアルは入力機器の接続やソフトの準備手順などの説明に加えて、フィンフィンと交信するための方法をイラストをふんだんに使い紹介している。

 セットアップの画面ではグラフィカルな画面を見ながら設定を進められる。 キャラクターたちが生息する惑星「TEO」や登場する生物たちの情報やユーザーの情報交換の場としてインターネットのホームページも提供されている。 「フィンフィンはユーザーを案内するお供の役割」と村上氏は指摘する。

 マルチメディアソフトにしてもインターネットにしても、広い世界を理解し、動き回るにはガイド役が必要。その役がフィンフィンであるというのだ。 バーチャルリアリティー技術を利用したキャラクターのふるまいが「リアル」になりつつある。楽しみながら理解を深めるという点でオンラインも含めた新しいマニュアルの表現技術に応用できそうだ。