株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」1997

 

改善へ社内コンテスト

1997年(平成9年)5月1日 日経産業新聞掲載

 ここ数年、CS(顧客満足)向上の視点からマニュアル改善に取り組むメーカーが増え、最近ではより具体的な活動へと進んでいるようだ。 NECは、グループ会社を含めた初の全社的な「NECマニュアルコンテスト'97」を実施し、四月十一日に表彰式を行った。

 さまざまな事業部、グループ会社から三十点の応募があり、「情報携帯ツール文豪ARDATA入門ガイド」や「PC-9821V20/V13(S)かんたんスタートガイド」など十点が受賞した。 「今回は幅広い応募があり、他の部門へもコンテストが刺激となった。全社的なマニュアルの品質向上が狙い」と、コンテストの推進役となった技術企画部の手塚信幸担当部長は語る。

 同社では役員が参加するドキュメント改善委員会の下部組織としてCSマニュアル推進連絡会を発足し、これまでにマニュアル制作ガイドラインなどを作成してきた。今回のコンテストは連絡会の中にマニュアルコンテスト分科会を作り、運営を担当した。募集から、評価方法の検討、表彰式までを準備する中で、マニュアルに関する情報交換や評価ノウハウの蓄積にも役立ったという。

 三洋電機では、CS推進部が中心となりこれまで四回マニュアル社内コンテストを行ってきた。評価し、優秀なマニュアルを表彰するとともに、外部の研究機関やマニュアル制作の専門家にコメントを求める制作研究会へと進めている。 顧客に役に立つマニュアルを制作するためには、外部の専門家の目で見てもらうことが必要だと考えた。

 具体的な改善ポイントなどの指摘を受けた結果、「新たな製品に添付されるマニュアルには、改善、工夫がなされ、確実に効果が上がっている」(可畑菊雄CS推進部商品安全センター商品審査課専任課長)という。 インターネットテレビなど情報機器と家電製品の境界線を超えるような商品が登場し、多様化するユーザーニーズをとらえた、わかりやすいマニュアルを制作することは容易ではない。ユーザーを満足させるマニュアルを制作するには、今後も企業全体としての取り組みがますます重要になってくるだろう。