株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」1997

 

TC技術検定に注目集まる

1997年(平成9年)11月13日 日経産業新聞掲載

 情報機器が身近に溢れ、インターネットを使って情報を引き出したり発信することが当たり前になりつつある現在、情報関連製品やサービスをユーザーにわかりやすく伝える技術の重要度が増す。

 技術情報をわかりやすく伝える"テクニカルコミュニケーション"分野では、こうした社会的なニーズから、マニュアル作成等に関わる人材育成を急務としている。 メーカーのマニュアル部門、制作会社、フリーランスのライターなどから構成されているテクニカルコミュニケーター協会では、来年2月にテクニカルコミュニケーション技術検定(TC技術検定)3級試験を初めて実施する。

 将来的に高度な知識と技能を備える1級から基礎的な4級までの4段階を設定する予定で、今回の3級は実務経験2年程度を目安とした初級のテクニカルライターが対象となっている。 検定の具体的な内容としては、情報収集やユーザー分析などを含むマニュアルの企画、構成についての技術、わかりやすい技術文書を書くためのライティング技術、見やすさや図表による表現などを含むビジュアル表現等が、筆記と実技で出題される。マニュアル作成に必要とされる幅広い技能を身につけているかどうかが試されるのである。

 同協会の理事であり、TC技術検定受験センター担当の真次洋一氏は、「10月から受験申し込み受付を行っているが、試験会場を予定している東京、大阪、北陸地区をはじめ、全国から申し込みが来ており、500名規模の受験が予想されている」と語る。検定に向けてのセミナーもすでに東京、大阪で数回開催しているが、急遽、定員オーバーによる追加開催を決めたほどの盛況だという。

 「この分野では初めての検定試験ということもあり、セミナー会場では講師も受講者も真剣なまなざしで、熱心な取り組みを見せている」と真次氏は語る。 大学に専門コースがある米国に比べて、まだまだテクニカルコミュニケーションが専門技術として広く認知されていない日本だが、TC技術検定をきっかけとして教材開発の促進や人材育成を図っていけば、情報産業全体の底力につながることだろう。