電子文書、質向上のカギ
1998年(平成10年)8月11日 日経産業新聞掲載
各種文書を電子化し、情報を共有化することに対して、企業の関心が高まっている。インターネットやイントラネット、表現力のあるワープロソフトやDTPソフトなど、インフラや道具がそろいつつある今、管理や運用面でどのようなルールを作れば、効率的で有意義な利用ができるのかを模索している状況だ。
こうした企業や団体において文書の電子かの普及を進める会員組織として、日本経営協会は7月24日に「デジタル文書推進機構」を発足させた。電子化ドキュメント協議会とビジネスDTP推進協議会を置き、企業の文書の電子化について調査や検討し、ビジネスでのDTP活用についても検討していく予定だ。
ビジネスでもビジュアル化された見やすい文書を作成しようとDTPを導入する企業が増えているが、一般のビジネスマンは読みやすい紙面作成のための基本的な知識や技術を備えていないのが現状だ。協議会では技術向上をめざして、ビジネスDTP検定も実施していく計画だ。企業のOA化によりパソコンで文書を作成することが日常的になった今、組織としてどのように活用していくかが、次の段階として問われているということだろう。
取扱説明書やマニュアルは、制作工程での電子化はもちろん、画面でみるオンラインマニュアルなど、電子化が進んでいる分野だ。資源を節約でき、かつ変更にも柔軟に対応できる電子化マニュアルの利用が増えている。ただ、紙のマニュアルとは違う読みやすさ、検索のしやすさについては、各社がそれぞれで取り組み、統一化はされていない。
財団法人ニューメディア開発協会では、こうした電子マニュアルの現状調査と、いかに評価するかといった観点から、3月に「電子マニュアルの評価ガイドラインに関する調査研究報告書」をまとめた。具体的な調査作業には、マニュアルの制作者の業界団体であるテクニカルコミュニケーター協会が受託し、メーカー、制作会社で実務に携わる担当者が当たった。この評価ガイドラインでは、紙マニュアルに加え、「安心して使える」といった点も盛り込まれ、視覚障害者や高齢者などの紙のマニュアルをよみづらい人にも配慮している。
