株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2001

 

サービス業にも検定受験広がる

2001年(平成13年)5月30日 日経産業新聞掲載

 取り扱い説明書やマニュアル制作にかかわる人のための資格制度「テクニカルコミュケーション技術検定試験(以下TC技術検定)」の受験者が堅調に増えている。従来の3級に新たに2級を加えた2000年度試験が2月に実施され、2,3級合わせて約1100人が受験した。

 取扱説明書のような秘術文書は読者が理解しやすい表現方法で書くことが求められる。ただ、これまでは企業の現場でのOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)教育が中心で、どのようにどのような技能を身に付ければスキルアップするのかわかりづらく、人材評価の方法も企業ごとにまちまちだった。

 これに対し、TC技術検定はマニュアルライティング技術の到達度を全国規模の統一基準で検定し、評価することを目的の一つとして挙げている。メーカーのマニュアル制作部門や制作会社などのマニュアル業界団体、テクニカルコミュケーター協会が主催して1997年から実施し、今回の試験で4回目を数えた。

 合格者はベテランと限らず、経験3年から8年までの人が多い。企業の中では既に部門の担当者全員に受験するよう指導したり、人事考課の参考に活用するところも出てきているという。

 今年は従来多かった家電や情報機器分野のマニュアル制作にかかわる人に加え、金融、サービス業、設計部門などの受験者が増えてきたことも大きな特徴だ。

 技術検定専門委員会の高橋尚子委員長はこうした動きを「IT(情報技術)化で、直接顧客に向け情報提供したり、パートナー企業とも電子文書でやりとりせざるを得なくなっている。そこでわかりやすいドキュメントを作成する必要が高まっているのではないか」と分析する。

 マニュアルライティングの技術文書を作成するプロのノウハウが、今後は他分野のドキュメント作成にも生かされていくことが予想される。