株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2001

 

実践的な電子版、後の見直し面倒

2001年(平成13年)8月1日 日経産業新聞掲載

 米マイクロソフト社は6月8日、統合ソフト「オフィスXP」を発売した。ワープロや表計算、電子メールなど仕事で必須(す)のソフトをまとめたものだ。マニュアルは「セットアップガイド」と「Office基本用語」があるが、操作ガイドはない。その代わり「ステップバイステップ インタラクティブ」という学習ソフトのCD-ROMが添付されている。

 これはパソコン画面で学べる電子マニュアルだ。各ソフト機能と操作方法の説明からなり、使いたいソフトについて、音声と画面の説明を見ながら、操作方法を習得していく。電子メールソフト「アウトルック」ではメール形式の概要、メッセージの作成、添付ファイルの追加といった具合に、機能ごとにレッスンを用意している。

 

 概念図を動画で説明したり、注目部分は赤いマークで表示するなど、動的に説明する。音声と画面メッセージの指示に従い、実際に操作してから次に進む。「アウトルックの操作」では、電子メールのあて名の指定、メッセージの入力などの操作を、手順に沿って学習できる。初心者にもわかりやすいように丁寧な説明がされた上で、操作を学習できるので、入門マニュアルとしてよくできていると思う。

 後から自分でいざやってみようと思ったときに、使えるかは少々、心もとない。後からの見直しが面倒なのは、電子マニュアルの弱点だ。マニュアルの存在自体がわからなかったり、パソコンにセットアップできない初心者には、宝の持ち腐れになってしまう。CD-ROMのラベルからは、パソコンで使えるマニュアルだとわかる人は少ないだろう。

 電子メールソフトについては、インターネットの電子メールの仕組みや送受信のマナーなども知りたいところだ。コミュニケーションのツールだからこそ、上手に使えるようになるためのマニュアルが求められているのではないかと思う。