機種ごとは無駄 機種別の編集を
2002年(平成14年)3月13日 日経産業新聞掲載
身近な通信手段として、世界中で10億台を突破していると言われる携帯電話は、機能が高度化すれば、取扱説明書で説明する内容も増えてくる。たとえば、iアプリ対応の「デジタル・ムーバN503is」の取扱説明書は本文が451ページ。この中に「基本操作編」「iモード編」などがまとまっている。
機能ごとに、操作方法や注意事項、便利な機能などの情報が整理しながら記載されているが、それでも知りたいことを探すのは骨が折れる作業だ。機種によってボタンの名前や位置、使い方などが異なるので、機種変更した場合も一苦労する。
複数の機能を組み合わせて使う場合は複数箇所を参考にしなければならない。たとえばメールを送りたい場合、初めて使う場合はまずは「iモード編」のメール設定のページを読み、アドレスを変更し、新規メール作成のページへ進み、文字入力は「応用基礎編」の文字入力方式を見て変換方法や文字種の変更方法について調べるといった具合だ。各種の機能を詰め込んだ一冊の取扱説明書を添付する形態に、そろそろ無理がきているのではないだろうか。
500ページ近くの取扱説明書が付いていても、読むのは購入したしばらくの間。多くの人はそのまま本棚の片隅に置いたままとなる。
これだけ多くの人が携帯電話を利用するようになった今、機種ごとの取扱説明書をやめ、利用者が知りたい情報に合わせて、説明書を選べるようにするといった方法を検討してみても良いのではないだろうか。もちろん、機種間、あるいはメーカー間である程度、操作性を統一するといった必要は出てくるだろうが、より利用者に役立つ説明書となり、無駄を省けるはずだ。初心者には初心者向きの説明書があれば、理解しやすいに違いない。
コンパクトな本体に高機能を装備し、先端をいく日本の携帯電話。利用者にやさしい情報の与え方についても、そろそろ新しいチャレンジをして良い時期ではないかと思う。
