株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2002

 

ソニーのデジカメ マニュアル改善

2002年(平成14年)11月13日 日経産業新聞掲載

 ソニーはデジタルカメラ「サイバーショット」の取扱説明書を改善した。
同社モバイルネットワークカンパニー・デジタルコンテンツクリエーション部の水野雅之係長によると「プロジェクトチームを作り、ユーザーへのアンケート調査から始めた。その結果、よく使っている機能や欲しいと考えている情報は、我々が想定していたものとやや異なっていた」のが理由だ。

 たとえばメーカーとしてアピールしたい機能である動画は、ビギナーユーザーはあまり使用していなかった。一方、基本の静止画の撮り方は「すぐに知りたい」。こうした調査結果を生かして、「基本編」と「応用編/困ったときは」の2分冊にした。

 どの機能をどのように盛り込むかでは「読まれ方を想定し、それぞれ異なるページフォーマットを作った。たとえば基本編は1つのステップに1つの図をつけ、説明文を短く読みやすくして、視線を右に流すだけで見開き単位でしたいことがわかるように配慮した」と同プロジェクトメンバーのソニー・ヒューマンキャピタル・ドキュメントセンターの末英子氏。

 問い合わせが増えているパソコンに取り込む方法は、前回の改善で別冊を作成したのを、今回は逆に基本編に盛り込むこととした。これもユーザーの使い方やニーズに合わせた変化だ。一方、色合いの調整、コマ送りの画像の取り方、動画の撮り方と再生方法といった機能については応用編にまとめた。

 応用編のフォーマットは全体的に説明を簡潔にし、「ビギナーユーザーにも、買い替えユーザーにも必要な情報がすぐわかるようにした」と水野氏。
  どちらに書いてあるのかわかりづらくなるという分冊のデメリットは、表紙にわかりやすい目次をつけ、相互に参照ページを必ず記載するなどの工夫をして解消につとめた。

 昨年2よりプロジェクトチームを立ち上げて取り組み、秋に発売された製品から改善後の取扱説明書が添付された。現在、改善の効果は、問い合わせ件数の大幅な減少として表れているという。今後はパソコンだけでなくあらゆる機器とネットワークしていくデジタルカメラの進化に、どのように対応するが検討課題だという。
 マニュアルに求められる情報は、急激に広がっている。