株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2004

 

カタカナ表記でガイドライン

2004年(平成16年)2月18日 日経産業新聞掲載

  「コンピューター」か、それとも「コンピュータ」か−−。テクニカルライターがアニュアルや解説記事を書く時に、まず気にするのが用語の使い方である。IT分野では、カタカナ用語を使わずに文章を書くのは不可能に近いが、そのカタカナの使い方はメーカーや製品などによってばらつきがある。各社のルールに従って書いているのが現状だ。

 メーカーのマニュアル制作部門やマニュアル制作会社、個人のテクニカルライターなどが参加するテクニカルコミュニケーター協会(TC協会)では、カタカナ用語の使い方ガイドラインを、「外来語(カタカナ)表記(長音編)」として昨年10月に発行した。

  ネット家電などの業界や製品分類の枠を超えた製品が登場している。「業界特有の用語や表記の混在はユーザーの混乱を招く。現場の製作者からもどう表記したらいいのか悩んでおり、業界全体でのガイドラインが欲しいといった声が協会に寄せられていた」と三堀邦夫同協会事務局長は説明する。

ガイドラインに添付された主なカタカナ表記
表記 源語
アーキテクチャー architecture
インストーラー installer
エンジニアー engineer
クエリー query
コンピューター computer
セカンダリー secondary
ディレクトリー directory
ブラウザー Browser
プロキシー proxy
ユーティリティー utility

 ワーキンググループには、家電機器や情報機器のメーカー、ソフトウェア会社などの担当者が参加し延べ46社の実態調査を行い、ガイドライン案を作成。実際のユーザーのアンケート調査など、使う側からの評価を実施した上で、ガイドラインVer.2の発行となった。

  調査・分析でピックアップされた300弱の語は目で見て、耳で聞いたときにわかりやすい表記であるか、知覚障害者が音声読み上げなどで聞いた際も誤解を招かないかなどを判断基準として検討された。どのような「言葉」を使うかは、ITを社会に根付かせるための基本的な考え方や文化にもつながっていく。地味だがユーザーありきの考え方を徹底していくための活動のひとつだ。