株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2004

 

電子版、情報の体系化が重要

2004年(平成16年)3月24日 日経産業新聞掲載

  情報機器やソフトウェアなどのマニュアルは制作費を抑えるため、2色または1色刷りのものが増えている。紙に印刷せずに、電子マニュアルとしてCD−ROMを添付したり、ウェブページで情報提供したりする例も多い。

  先般、スキャナーを買い替え、電子マニュアルを使う機会があり、紙とは違う画面で見るマニュアルの良さを実感した。製品はキャノンの「CanoScan8200F」。CD—ROMをセットすると、メニューが表示される。「ソフトのインストール」「電子マニュアルを読む」といった項目が並んでいるのでわかりやすい。「電子マニュアルを読む」をクリックすると、本体のほかに、添付しているソフトのマニュアルのタイトルが並ぶ。入り口を整理して一本化することで欲しい情報にたどりつけるよう配慮している。

  「スキャナ操作ガイド」は、スキャンする手順などの操作ガイドに加えて、活用方法別の説明や、上手に活用するためのヒントなどが記載されている。便利だと感じたのは、知りたいことをクリックしていくうちに、情報にたどりつける構造になっていることだ。ページをめくって探さなくてもよい。

  また、「もっと上手にスキャンするには」の項目では色の調整方法などの他に解像度の決め方やデータ容量の関係、ヒストグラムやトーンカーブの見方・調整方法が用意されており、役立つ情報となっている。機能として用意されていても、その意味がわからなければ使いこなすことはできないが、電子マニュアルではカラーのサンプルを使って、どう設定すると、どのような結果になるのかがリアルにわかるようになっている。

  さらにスキャナーを活用するためのソフト関連リンク情報も提供されており、最新情報に更新するためのリンクも用意するなどきめ細かく情報を提供する姿勢が伝わってくる。情報をツリー状に整理し、関連する情報にたどり着ける。その良さを最大限に引き出すために情報をどのように体系化するかが、デジタル時代のマニュアル制作者に求められている。