株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2004

 

レイアウトで読ませる工夫を

2004(平成16年)5月12日 日経産業新聞掲載

  目は口ほどに物を言う。まなざしを言葉よりも雄弁に伝えることを示すことわざだが、印象的なまなざしを演出するカラーコンタクトレンズが注目されている。

 使い捨てのトップシュアを持つジョンソン・エンド・ジョンソンの「アキュビュー」では4月にカラーを新発売。茶やグレーなど3色で、大人のカラーコンタクトレンズであることをアピールしている。取扱説明書を読んでみた。

 コンタクトレンズを使用するには、眼科医の検査を受けて購入することが必要だが、使用にあたっては、取扱説明書にさまざまな注意事項が掲載されている。説明書はパッケージの中に折りたたまれてこん包されたA4変形裏表の体裁だ。

 この中に警告から、レンズのつけ方、はずし方、使用上の注意などが盛り込まれているので、文字はかなり小さく、読みづらい印象だ。赤とグレーの2色刷りだが、警告や禁忌の部分だけが赤で、裏面はグレー1色となっている。注意部分を目立たせることは重要だが、2色の使い分けなど色づかいの工夫によって、より読みやすくすることは可能だろう。

 説明についてはわかりやすくするため、見出しや文章を配慮していることが感じられた。以前の製品の取扱説明書と比べてみると、以前は「装用方法」と書かれていた見出しが「レンズのつけ方」というように、専門用語ではなく利用者にとってわかりやすい用語に置き換えられている。利用者の視点で用語を変えたようだ。

 裏面の「その他の注意事項」には、装用した際の注意点や、利用する際に知っておくと便利なことなどがまとめられている。レンズの破損や紛失に備えて、スペアを携帯しておくことや、特に旅行の際はスペアを忘れないようにすることなどは利用にしている人にとっては有用な情報だが、その他の情報に埋もれて目立たない。カラーレンズ特有の留意点も含まれ、以前の製品より項目が多くなっているが、レイアウトの工夫がないため、文字がびっしりと連なっている。これでは読む気がしないだろう。

 新たに取扱説明書に付け加えられている情報としては、「コンタクトレンズを使用する上のリスク」という項目がある。利用者への説明責任として、情報が提供されているのだろう。利用者が読むべき情報、読むと役立つ情報をどう見せていくのか。限られたスペースでの情報のメリハリのつけ方、レイアウトの工夫を期待したい。