「おサイフケータイ」もっと平易に
2004年(平成16年)8月11日 日経産業新聞掲載
携帯電話は今や通話するための「電話」というよりも、ひとり一人が持ち歩く情報機器として進化している。7月10日にはNTTドコモがFelica(フェリカ)と呼ぶ電子マネー機能を持った携帯電話を発売した。携帯電話をリーダーにかざすだけで、各種支払いに利用できもので、「おサイフケータイ」というキャッチフレーズが付いている。現金の代わりになる電子マネーの利用機能により利便性が高まった半面、不正利用の危険性も伴う。この機能について、マニュアルではどうのような説明がなされているのか読んでみた。
ムーバP506 iCの取扱説明書では「Felicaを利用する」という項目が立てられているが、本文の説明はわずか2ページだ。“Felicaとは”で始まるこの新機能の説明文は、専門用語が多く、読みづらい。一般の利用者には、どのような仕組みで、何が便利なのかがぱっと理解できる文章にはなっていない。Felica対応サービスについての概念図も書かれているのが、利用者の立場に立って説明されているのではなく、提供者側からの説明といった印象を受ける。
また、注意事項として、ICカード内のデータが消失・変化してしまう場合があり、その場合は責任を負いかねると書かれているが、そうならないためにどのような注意をすればよいのかは書かれていない。
対応サービス利用にあたっての注意事項については、別冊の「iモード操作ガイド」を参照することが書かれている。現在、Felicaに対応した電子マネーとしては、「Edy(エディ)」と呼ばれるサービスが提供されており、利用するには初期設定とサービス登録が必要になる。「iモード操作ガイド」の初期設定やサービス登録の方法の個所では、簡単に概要が説明されているだけなので、実際に操作してみると、携帯電話の小さな画面から利用約款などを読みながら進めていかなくてはならなかった。
画面で表示される内容のすべてを取り上げて説明する必要はないが、利用者が気をつけるべきことについては、いつでも読み直せる「紙」の良さを生かして、操作ガイドでしっかり説明しておくことが重要だ。
水でぬらしてしまうと使えなくなるといったことは、誰にでも想像がつく。しかしさまざまな個人情報や電子マネーが登録されている携帯電話を壊してしまったり、盗難にあった場合に、どのような状態になり、何をすれば良いのかは取扱説明書や操作ガイドで簡単に説明すべき内容だろう。
