「説明する技術」を資格に
2006年(平成18年)4月4日 日経産業新聞掲載
マニュアルや取扱説明書の制作に関わる業界団体であるテクニカルコミュニケーター協会(以下TC協会)が主催する「2005年度TC技術検定試験」が2月12日に全国で実施された。検定は「テクニカルライティング分野初級」「テクニカルライティング分野上級」「マニュアル制作ディレクション分野」の3つに分かれ、申込総数は前回並みの約800人となった。
1997年にスタートしたこの検定を運営するのは、企業の実務担当者などで構成される専門委員会。企業によっては、マニュアル制作などテクニカルコミュニケーション関連業務に従事する社員のキャリアパス、キャリアアップの目安として活用し始めている。
「企業内のマニュアル制作を中心とする関連部署では、毎年一定の人数の関係者が受験するなど、TC検定が定着してきた」と同協会技術検定専門委員会、永山嘉昭委員長は語る。「人事考課制度にこの資格の取得を組み込んでいる企業もある」という。
「初級」は、上司の指示や決められたルールの中で技術文書を作るスキルを問う内容で、実務経験3年が目安。05年度の初級申込者は約400名で、合格率は56%。申込者はマニュアル制作会社が66.6%を占めるが、製造業、ソフトウェア開発会社の受験者も多い。最近は、文書や図などを使って説明する技術に着目する企業が増え、問い合わせも増えてきたという。
「技術文書の作成技術は、一般のビジネス文書の作成技術としても応用できる」と永山氏。同協会では検定の範囲をビジネス文書の領域まで拡大することを検討中だ。
ホームページやメールなど、情報を発信するツールや手段は増加の一途をたどる。だが複雑な情報を正確に、効果的に伝える技術を社員に教育する企業は多くない。潜在的なニーズは意外に大きそうだ。
