危機回避への情報 もっと提供を
2006年(平成18年)7月18日 日経産業新聞掲載
東日本旅客鉄道(JR東日本)が提供する「モバイルSuica」は、携帯電話で電子マネー「Suica」のサービスが利用できるもの。利用にあたっては携帯電話での登録などが必要になる。駅で配布されている8ページの「モバイルSuica入会・登録ガイド」と、ウェブサイトでの情報と合わせて読んでみた。
「入会・登録ガイド」では、最初にSuicaでできることの説明があり、次に登録前の準備について書かれている。利用開始までの手順は多い。登録の前に、モバイルSuicaが使える携帯電話と、JR東日本のクレジットカードを用意しなければならない。実際に利用するまでに必要な作業のフローが一目でわかるように書かれていないので、何をどのように行い、どのくらい時間がかかるかわかりにくいのが不親切だ。
携帯での登録手順は見開き2ページで紹介している。アプリケーションソフトのダウンロードで9手順。会員登録は17手順にもなる。操作手順の文字が小さいので、シニア層は読みづらそうだ。
ウェブサイトの会員登録のページは画面付きの15手順をスクロールして読む。文字サイズが固定され、ブラウザで拡大して読めないのが残念だ。紙はサイズに制限があるが、ウェブページはリンクを張るなど自由に作りやすいはず。情報量が多い場合、より読みやすく、わかりやすい説明の方法を試してもいい。また、紙のガイドとウェブはほぼ同じ情報が書かれているが、注意書きや制限などは小さい文字で読みづらい。こうした情報が紙のガイドに書かれていれば、もっと役立つだろう。
電子決算が利用できるなど、モバイル機器に便利なサービスが盛り込まれる半面、紛失や盗難時の危険性は高くなる。新しいサービスでは説明すべきことが多くなるが、便利さの裏側にある危険から自分を守るための情報こそ提供すべきではないだろうか。
