取扱説明書、模索するシンポ
2006年(平成18年)9月26日 日経産業新聞掲載
八月三十一日と九月一日、東京・新宿の工学院大学でテクニカルコミュニケーションシンポジウム2006が開催された。取扱説明書など技術文書の制作にたずさわるメーカーや制作会社から、千名を超える関係者が参加した。
「マニュアルの多言語化やユーザーインターフェイス関連を扱った、パネルディスカッションや事例発表に多くの参加者が集まった」と主催団体、テクニカルコミュニケーター協会の三堀邦夫事務局長は語る。今年のテーマは「創ろう!新しい情報航海術」。情報の海の中で迷うユーザーに、わかりやすく製品取り扱い情報を提供する手法を模索する意識が表れている。
例えば中国市場向け取扱説明書に関するパネルディスカッションでは、現地で好まれるデザインや表現を探るなど、新しい試みの事例をもとに活発なディスカッションがなされた。
シンポジウムで発表された日本マニュアルコンテスト2006でも、応募された取扱説明書のなかに意欲的な試みが目立った。マニュアルオブザイヤーに選ばれた、富士ゼロックスの「ApeosPortとDocuCentre用スキャンの本」の表紙には製品名よりも「スキャンの本」のタイトルが大きく書かれ、一見、取扱説明書であるとは思えない親しみやすいデザインだ。
同社の深田美千代氏は、受賞の言葉で「ユーザーに読んでもらい、意見を多く聞くことで作り方と視点を変えた。マニュアルを読んでもらうようにピーアールすることも大切だと感じた」と述べた。製品取り扱い情報が新しいあり方を探る局面を迎えたことを実感した二日間となった。
