株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2007

 

家庭で学ぶウェブマニュアル

2007年(平成19年)1月16日 日経産業新聞掲載

 多機能化する製品の取扱情報を提示する手段として、電子のマニュアルを選ぶケースが増えてきている。その長所は、大量の情報から効率よく欲しい情報が引き出せることだ。電子マニュアルのわかりやすさの評価に携わる業界団体のテクニカルコミュニケーター協会(以下TC協会 http://www.jtca.org/)が1990年代から取り組んできた。しかしユーザー調査をしてみると、電子マニュアルの認知度は極めて低かった。

 どう起動していいか分からない、どこにあるか存在も知らないといった問題を解決するために、TC協会では「電子マニュアルマーク標準化ワーキンググループ」を設置し、2005年4月には「電子マニュアル標準マーク使い方ガイドライン」を発表した。すでにパソコン、デジタルカメラ、デジタル液晶テレビ、スキャナーなどの製品について、電子マニュアル標準マークをキヤノン、シャープ、セイコーエプソン、日本ビクター、富士通、松下電器産業などのメーカーが採用している。

 一方、マニュアルの将来を議論するなかで、従来の電子マニュアルの課題を解消する方法として注目され始めたのがウェブマニュアルだ。同協会ではWebコミュニケーション調査研究ワーキンググループを設置して05年7月からウェブマニュアルの効果などを探ってきた。「ユーザーにとってのメリットは、常に最新の情報にアクセスできる更新性や、自分だけのマニュアルが作れるなどパーソナライズが実現できること」と同グループのリーダーであるキヤノンの大和田潤治氏は語る。

 デジタルテレビとDVDレコーダー、プリンターなど複数の機器をつなげた場合、各種の設定情報などをどう記載するかも課題だ。「その人に必要な情報をテレビ画面に表示するなど、より親切で役立つマニュアル実現に向けて取り組んでいる」と大和田氏。リビングでわが家の機器の使い方を学んだり、調べたりする。マニュアルの新しいカタチが見えてきた。