子供ケータイ用、目線は誰に?
2007年(平成19年)4月17日 日経産業新聞掲載
我が家の子どもが小学校に入学したので、携帯電話を購入した。KDDI(au)のジュニアケータイには、全地球測位システム(GPS)で居場所を確認できる「安心ナビ」が用意され、防犯ブザーとして使えるなど、子どもの安全を守る機能が備わっていた。早速、取扱説明書を読んでみた。
添付されているマニュアルは3種類。のは、~おうちのかたと、いっしょによみましょう~と書かれた「ジュニアマニュアル」は、オールカラーで48ページ。手に取りやすい薄さだ。小学生でも読めるようにすべてふりがながふってある。操作手順の横にはボタンのイラストと画面例が添えられ、電話、文字入力、メール、カメラ、安心ナビなどの基本機能がわかりやすくまとめられている。
最初の見開きに「マナーもいっしょにけいたいしましょう」のページがあり、映画館や図書館ではマナーモードにする、病院では電源を切るなどと書かれているが、携帯電話を使うときのマナーはそれだけではない。メーカーとして推奨するマナーはこれで十分かもしれないが、初めて携帯電話を持つ子どもたちに伝えておきたいマナーが書かれていたら、親としてはこのマニュアルの価値がもっと高くなるのにと残念に思った。
同じ見開きの冒頭部分には、「しょうがくせいのみなさまへ」との見出しで「このたびは『ジュニアケータイA5525SA』をお買い上げいただき、まことにありがとうございました。」で始まる読み方が書かれている。小学生なら親が購入するケースが大半なはずだ。大人向けと同じような購入への謝辞はふさわしくないのではないかと違和感をもった。子どもたちが読んでみたくなるようなメッセージの伝え方があるはずだ。
機能やサービス面で子どもたちの安心や安全に注目し始めた携帯電話。マニュアルも、大人向けの基本部分を子ども向けに書き換えただけではなく、安全に使いこなしていくための知恵を伝えるものへ、もう一工夫を期待したい。
