株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2007

 

セカンドライフ、「取説」活躍の場?

2007年(平成19年)7月10日 日経産業新聞掲載

 米リンデンラボが運営するセカンドライフが注目を集めている。日本語版も近く提供される予定で、日本でも利用者が増えてきている。

 新しい世界の利用の仕方をどう説明しているのか、セカンドライフのホームページにアクセスしてみた。利用するには、独自のソフトウェアをダウンロードしてインストールする。現状でも必要なフォントがインストールされていれば、ボタンなどは日本語表記で使える。ただし、オンラインマニュアルであるヘルプのほとんどは翻訳されておらず、リンク先は英語版のサイトになっているなど、現状では日本のユーザーにとって頼りになるヘルプではない。

 セカンドライフ日本語版のサイトでも、「セカンドライフとは?」「よくある質問」などが用意されているが、文字中心で説明されており、一般のユーザーにとってわかりやすい説明とは言い難い。

 オンラインのコミュニティーでは、操作方法だけを知っていても、そのコミュニティーや参加者はこうあるべきだという「世界観」を理解しないと活用するのは難しい。ネットのコミュニティーなどに参加したことがあれば経験的に理解できるが、そうでない人には全体像、世界観を伝えなければ、メリットはわからない。

 セカンドライフでは他に、Art Lifeの田中ケンジ氏が提供している「セカンドライフ日本語版の歩き方」などの紹介サイトがある。「個人の楽しみ方」や「企業の役立て方」など、個人ユーザーや企業にとってのメリットを利用者別に説明するなど、世界観を理解する参考になる。

 セカンドライフのような3次元空間では機器の取り扱い情報をよりわかりやすく提供できるのではとマニュアル制作者も期待する。利用者参加型の取扱説明書のあり方のヒントとしても「セカンドライフ日本語版の歩き方」のようなサイトの登場に注目したい。