株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2007

 

紙と電子で「読みたくなる」を提案

2007年(平成19年)9月4日 日経産業新聞掲載

 ネットでトリセツ(取扱説明書)を検索していたら、富士ゼロックスのカラー複合機のトリセツ「プリントの星」を見つけた。プリンターのトリセツらしくないイメージの表紙と、『こんな「トリセツ」見たことない!』のサブタイトルに引かれて、開いてみた。

 見たいトリセツをクリックすると、ページをめくるように閲覧できる。電子版ではインストールと活用の2つのファイルに分かれているが、元の紙のトリセツは両開きの1冊の形態となっている。

 同社はスキャナーの活用方法を説明した「スキャンの本」で2006年マニュアルオブザイヤーを受賞した実績を持つ。

 「昨年の『スキャンの本』と同様に、『プリントの星』もサポートセンターへの問い合わせ件数を減らす目的で企画した。今回は営業担当者がお客様と話す際ののツールとして活用することをテーマとしたが、長く役立ててもらえるよう内容も工夫した。インストール関連で困ったときにすぐ役立つ解決方法を伝える部分と、時間があれば読んでもらいたい、活用方法を提案する部分を分け、デザインで明確にした」と富士ゼロックスエンジニアリングのドキュメントエンジニアリングセンターの加藤一由マネージャーは語る。

 活用部分は縦書きで、インストール部分との違いが際立つ。トリセツでありがちなフォーマットを採用せず、雑誌風の見開きデザインが工夫されている。

 「社内教育やお客様向けセミナーに使われるなど用途が広がってきた。『こんなことが知りたかった』と共感してもらっている。紙のマニュアルがすぐに手に入らないときやサポートセンターでの問い合わせの際にお知らせするなどして活用している。今後も共感を得るトリセツの制作を目指し、紙と電子を目的に合わせて使い分けていきたい」と加藤氏。読んでみたくなるトリセツが営業担当者と顧客を結びつけていく。製品取り扱い情報のあり方の一つとして注目すべき事例と言えるだろう。