株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2007

 

ウェブ発信、購入前の情報ニーズ対応

2007年(平成19年)12月11日 日経産業新聞掲載 

 「デジタルドキュメントシンポジウム2007」が11月22日に東京・大森で開かれた。情報処理学会デジタルドキュメント研究会が主催し、テーマは「知・情・意の発現(イマージュ)~デジタルドキュメントが拓くWeb革新と先進の流儀」。インターネットが定着した状況下で、これからのデジタルドキュメント(文書)の方向性や表現のあり方を探るのがねらいで100人を超える参加があった。

 招待講演として松下電器産業の井上守氏がデジタル家電のウェブマニュアルの事例を発表。同社はデジタルテレビやDVDレコーダーの情報をウェブサイトで提供しており、ウェブマニュアルは今年のテクニカルコミュニケーター協会(TC協会)主催のマニュアルオブザイヤーを受賞している。

 同氏は「従来の取扱説明書は購入後の顧客が対象だったが、ウェブマニュアルは購入前の方々も読む。様々な機器と接続するデジタル家電では、利用者は目的の製品がどんな機器につながり、何ができるかなど購入前により詳しい情報を欲している」と分析する。

 ビフォアサポートともなる購入前の情報ニーズに応えるウェブマニュアルは、音声や動画で説明できるもメリットだ。同シンポジウムを企画したデジタルドキュメント研究会主査で、日立製作所の大場みち子氏は「ウェブによってドキュメントの表現方法が静的なものから、動的なものへ大きく変わってきている。ウェブマニュアルもその新しい表現を提示している事例の一つだろう」と語る。

 ウェブでやり取りされる利用者の声も取り込んだ、利用者参加型のウェブマニュアルの将来像についても質問やコメントが寄せられた。様々な機器がつながり、日々新しくなる情報を、製品の取り扱い情報にどう取り込んでいくのか。新しい情報活用のライフスタイルに合わせた表現はどうあるべきか。多様な問題提起がなされたシンポジウムとなった。