TC協会、日本と海外の橋渡し役に
2009年(平成21年)1月13日 日経産業新聞掲載
取扱説明書やマニュアルを制作する専門家の団体であるテクニカルコミュニケーター協会(TC協会)が、これまでの任意団体から一般団体法人へと変わる。1月7日に設立申請を提出した雨宮拓代表理事に、その意図を聞いた。
「現代は身の回りのIT(情報技術)機器に加え、インターネットで提供される情報やサービスを使いこなすことが不可欠になり、そのための情報をわかりやすく提供することがより重要になってきた。取り扱い情報が求められる分野も特定のIT機器から生活一般の機器やサービスにまで広がってきた。わかりやすく情報を伝える技術をもった専門家集団として社会貢献を目指したい」と語る。
企業活動のグローバル化を受け、海外市場の状況に合わせた取り扱い情報作成への関心も高まっている。「アジア各国や欧州などの団体との交流、標準規格の策定に携わることも増えてきた。様々な活動に参加するうえで法人格を得て責任ある立場で取り組んでいくことが必要」と同氏は説明する。
既に中国国家標準「GB」の日本語翻訳と頒布、欧州における取り扱い説明の標準規格「IEC 62079 Edition 2」の策定、国内の「デジタル放送受信機器の接続説明に関する標準化」などのプロジェクトが進行中だという。
従来のコンシューマー向けだけでなく、サービスや業務用のマニュアルといった分野でも、わかりやすく文書で伝える技術への期待が高まっている。紙からウェブへとメディアも広がり、動画を含め表現方法も多様化している。
こうした変化に対応し、テクニカルコミュニケーターに求められるスキルも変わってきている。
「2012年までの4年計画でスキルの体系を見直し中。今春にはテクニカルライティングのエントリーレベルに関する資格に対応したガイドブックを出版する予定」と雨宮氏は活動計画を語る。多様な場面でわかりやすく情報を伝える技術を発信していく構えだ。
