株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2009

 

日本語文書の作成技術紹介

2009年(平成21年)8月11日 日経産業新聞掲載

 製品やサービスの取扱説明文をわかりやすく書く能力を「テクニカルライティング技術」と呼ぶ。取扱情報を扱う専門家でつくる一般財団法人テクニカルコミュニケーター協会(JTCA、東京・新宿)はこの技術を基礎にして、さまざまな実用文を書くための文書作成技術を解説した【日本語スタイルガイド」を8月初旬に刊行した。

  代表理事の雨宮拓氏は「テクニカルライティングの技術は幅広い分野で適用できる。その入門編として、文書を書く指針を集大成した」と趣旨を説明する。同ガイドには読みやすく、誤解されない文書を書くポイントが解説とともに例示してある。日ごろ何気なく書いている文章のどこに問題があるのか、どこを改善すればいいのかを知る参考になりそうだ。

 同ガイドは、製品取扱情報はもとより、一般的なビジネス文書などの実用文やリポート、論文などを書く時にも役に立つという。ユニークなのは、「文」という小さい単位の表現だけでなく、段落のような文のまとまりや文章全体を構築する文脈(コンテクスト)の組み立て方、文書の構造化なども解説している点だ。

 文章を書くことが苦手だと感じている人は、「何をどう書いたらよいのかがわからない」「文章の組み立て方がわからない」といった悩みを抱えていることが多い。同ガイドは、そうした問題を具体的に解決するうえで手助けになりうる。そのほか、他人の権利をしない、読み手の安全に十分配慮するなど、現代における実用文作成に不可欠なコンプライアンス(法令順守)に関する解説も盛り込んである。

 書き手の意志を正確かつ確実に伝える技術に対する社会的ニーズは高まっている。複雑になる一方のサービスをわかりやすく説明したり、説明責任を果たしたりするための実用的な文書を作成するためのガイドとして活用できそうだ。近く協会サイトに注文できるようになり、大手インターネット書店でも今後買えるようになるという。