株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2009

 

取説の国際化、部門連携を

2009年(平成21年)9月29日 日経産業新聞掲載

 市場がグローバルに広がるなか、取扱説明情報や各種の製品関連情報の制作現場は多言語展開を求められる。適切な情報をいかに迅速かつ効率的に作成し、コストを低減するかは大きな課題だ。8月27・28日に東京・青山で開いた「DESIGN IT! Forum2009」=写真=では、企業が持つ多様な情報をどう整理し、制作や管理・運用に役立てるかを探る講演や議論があった。

 この会を主催したソシオメディア代表取締役の篠原稔和氏によると、今回の主要テーマは「コンテンツ・マネジメント」。その分野の重鎮で、企業の製品マニュアルや社内文書にかかわる国際標準であるDITA(文書の標準化規格の1つ)の生みの親の一人、ジョアン・ハッコス博士を招き、最新の事例紹介なども盛り込んだ。

 ハッコス博士は講演で、DITA導入によって携帯電話や金融、自動車、機械など幅広い産業分野で文書の作成と再利用が効率的になり、コスト削減を実現していることを紹介した。コンテンツを部品化することによって、多言語対応へのスピードが短縮され、翻訳コストも低減するという。DITAやコンテンツ・マネジメント・システム(CMS)導入への課題など、会場からも質問やコメントも活発に寄せられた。

 2日間の来場者は延べ245人。強い印象を受けたのがITやCMSの関連企業、マニュアルなどの関係者が、企業が持つ文書・コンテンツのあり方について熱心に意見交換していた姿だ。「日本では部門や業界ごとに分断され、担当者の交流は少なかった」と篠原氏。クラウドコンピューティングの利用などで企業のITシステムが変わろうとしている今、蓄積した文書やコンテンツをどう活用するかははっきり見えない。だが部門間、企業間あるいは専門企業との連携が必須なのは明白だ。