株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2010

 

国際規格対応、消費者に安心感

2010年(平成22年)3月2日 日経産業新聞掲載

 製品やサービスが世界的規模で流通している現在、取扱説明書などの使用説明も国際規格や各国の規格へ対応が急務になっている。国際規格のISO/IECはもとより、中国市場では消費品使用説明の国家標準「GB5296,2 2008」に準拠しなければならない。

 取扱情報を扱う専門家でつくるテクニカルコミュニケーター協会(TC協会)は「トリセツの作成業務に直結する、国際標準を知ろう!」と題したセミナーを東京・新宿で開催。メーカーや制作会社の担当者が受講した。

 講師を務めた標準規格策定委員会の徳田直樹委員長によると、国際標準規格のIEC 62079の2001年版に使用説明に触れた部分があるが、内容はプラントなどの大規模設備向けに偏っていた。そこでTC協会は一般消費者向けの工業製品やサービスを対象とした使用説明の規格づくりを提案した。

 08年9月にドイツ、フィンランド、スウェーデン、イギリスも参加した検討チームが発足し、来年1月の国際規格発行に向けて活動中。改訂後の国際規格には(1)消費者にタイする配慮(2)高齢者や障害者への考慮(3)記載事項に関するチェックリストの規格化──が追加される予定という。

 海外市場委員会副委員長の山崎敏正氏(パナソニック)は各種規格の海外動向を解説。各地の言語に翻訳するにとどまらず、規格を理解して取扱説明書に反映することの必要性を強調した。例えば、欧州では安全に関する説明に図を入れ、わかりやすく書くよう改善しつつあるという。「規格に忠実であることはリスク管理上も必須」と山崎氏は話す。

 TC協会は毎年、マニュアルコンテストも実施。今年のコンテストは1次審査で、IEC 62079の01年版に記載してあるチェックリスト項目を反映する予定だ。必要な情報が適切に記載されていることがマニュアルの品質向上につながり、利用者に安心感を与えることになるだろう。