株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2010

 

使用説明書、標準化手法に関心

2010年(平成22年)4月13日 日経産業新聞掲載

 「DITA」は文書の標準か規格の一つ。欧米を中心に製品の使用説明書の作成に取り入れる企業が増えている。同規格の普及を目指し昨年2月に設立されたDITAコンソーシアムジャパンの主催で「DITA Festa2010」が3月3~4日に東京・箱崎で開かれた。2日間でのべ250人が参加。1年間の各部会の活動成果や調査結果が発表・報告された。

 昨年の設立セミナーは使用説明書の制作会社やコンテンツ管理・編集ツールなどのシステムベンダーの参加が多かったが、今年は一般企業の参加者が増えたという。同コンソーシアム事務局長の加藤哲義氏は「海外展開する企業を中心に、日本でも着実にDITA導入への機運が高まっている」と手応えを感じている様子だった。

 DITAの手法では文書の内容を構造化し、部品を組み立てるように取扱説明書などを作成する。文書を共有化し再利用できれば、コンテンツ作成にかかる時間と経費の節減が期待できる。

 今年の「DITA Festa」では5つの部会で先進的な国内の企業の事例や海外動向、DITAの最新仕様などを報告した。中でも構造化した文書を書くための「DITAライティングガイド紹介」と「DITA入門」が人気で、参加者の満足度も高かったという。会場では「どのように文書を構造化するのか」「制作フローはどう変わるのか」など、DITA導入までの具体的なノウハウを求める質問が目立った。

 同コンソーシアムはDITA仕様の策定にかかわったジョアン・ハッコス博士の著作「DITA概説書」=写真=を会員で翻訳し、発行した。コンテンツの再利用や、企業プロジェクトごとに特殊化する方法などを解説している。

 この概説書自体がDITAフォーマットで作られており、複数の人が分担してコンテンツを翻訳し、それらを統合して自動組版で入稿した過程も事例の一つとして発表した。コンテンツをどう作成し、まとめあげ運用するか。実体験に基づく情報へのニーズは高い。