取説いらずのiPad
2010年(平成22年)6月29日 日経産業新聞掲載
5月28日に日本でも発売され、大きな話題を呼んでいる米アップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」を筆者も手に入れた。驚いたのは製品と一緒に梱包してあるマニュアルが裏表1枚のカードだけであること。高機能携帯電話「iPhone(アイフォーン)3G」には蛇腹型のユーザーガイドが付いていたので、より最小限になったわけだ。
添付カードの表面では電源オン/オフや音量の調節に使うボタンを説明し、裏面で設定・同期・充電の簡単な手順と、それ以上の情報を知りたい時に見るウェブのアドレスを案内。裏面の手順を読まなくても、電源を入れるだけで画面に必要な設定が表示される。その指示通りに進めれば、すぐに使えるようになった。設定前のマニュアルなしで使い始められる。
アップルジャパンによると、iPadはシニア層も購入。80代女性から「指で画面を押しながら楽しく使っている」との声も寄せられているという。「iPadはマニュアルなしで楽しく使えることを大前提に開発した製品。こう使うと一度分かれば、触っているうちに自分で使い方を発見できる」(アップルジャパン)。迷う人がいないのか心配だが、こうした機器を全く初めて使う人が迷いがちな設定は、販売店によっては購入時にサポートしているという。
実際、わが家の小学生もダウンロードしたゲームを見るなり、あちこち画面を触ったり、画面全体を傾けたりしながらゲームの操作とルールを理解し、あっという間に遊び始めた。筆者は電子書籍を表示し、指でページをめくりながら拡大・縮小できる使い勝手の良さに、身近な家電製品やデジタル機器、業務で使う製品マニュアルを表示する製品としての可能性も感じた。十人十色の楽しみ方が広がるよう、使い勝手の良い製品設計をしているところにiPadが話味になる理由があるのだろう。
