株式会社ハーティネス

コラム「マニュアルNOW」2010

 

使用説明、標準化へ円卓会議

2010年(平成22年)8月17日 日経産業新聞掲載

 製品やサービスの使用説明に関する専門家でつくるテクニカルコミュニケーター協会(TC協会)が8月23日、世界規模では初の円卓会議を都内で開催する。招待参加者は中国、韓国、米国、ドイツのTC団体代表者。「各国の言語や文化を尊重しながら標準規格に対応し、安全表記や消費者保護に関する記述を共通化することが必要だ。円卓会議はそのための情報交換や議論の出発点となる」とTC協会の雨宮拓代表理事は語る。

 製品の生産・流通がグローバル化するなか、使用説明や文書の多言語化、グローバル化にどう対応するかが話題となっている。使用説明に関する国際標準規格「IEC 62079」の全面改訂も大詰めを迎えている。これらにどう対応していくかが急務になっている。

 TC協会は欧州のTC団体「tekom」と連携し、約3年にわたって情報交換を進めてきた。また中国では国家標準として使用説明に盛り込まなければならない情報などが規定されているが、同規定へのメーカーの関心は高く、TC協会も調査研究やセミナーを実施してきた。今回の円卓会議はTCに関連する中国国家標準の当局関係者も招いた。
「こうした活動が土台となって実現できた円卓会議で、今後も連携を強化していく」(雨宮氏)

 円卓会議では、TC分野の統計調査の方法や項目を議論。国際労働機関(ILO)にTCという職種を登録するよう働きかけることもテーマとする予定だ。米国や欧州にはTCを専門に教育する大学もあって専門家を育成しているが、こうしたTC分野の教育や人材育成についても議論するという。

 製品やサービスを安全かつ有益に利用するための使用説明のあり方を議論することは、メーカーだけでなくユーザーにとっても有効だろう。昨年ドイツで開いたTCの展示会では日本からもブースを出して、関係者の関心を集めた。日本のTC団体が、世界市場に通用するマニュアルの新しいあり方を発信していく存在になることを期待したい。