伝わる文章のライティング技術(6)

自己紹介を書くコツ。エントリーシート(ES)にも参考にどうぞ

 私の仕事のテクニカルライティングは、「何かを説明する文章」を書く仕事です。その「何か」は製品紹介であったり、機能の説明であったりします。技術的で情報量が多い時に、どのようにまとめるか、テクニカルライティングの書き方のコツで解説しましょう。
 この書き方コツは、自分を説明する自己紹介の文章に応用できます。新規の仕事先での自己紹介でも、就職活動のエントリーシート(ES)の自己PRでも使えますよ。

●もっとも伝えたいことを絞る
 200字程度の少ない分量で説明文を書くときに大切なことは、最も伝えたいことを絞ることです。「いろいろ伝えたい!だから、あれも、これも盛り込みたい」と、漠然と情報を盛り込むのはおすすめできません。1つ1つの情報量が薄くなり、結局、伝えたいこと、アピールしたいことが伝わらないからです。

 目的に合わせて、最も伝えたいことを絞り込みましょう。たとえば、新しく担当する顧客(お客様)に簡単な自己紹介をメールで伝えたい。その場合は、もっと伝えたいこととして、次のようなトピックから選ぶとよいでしょう。


・ この仕事において大切にしていること
・ 自社の製品やサービスで特にお客様に知ってほしいこと
・ お客様に提供できる自分の強み

 「新しい人はどんな人で、どのように対応してくれるのかな」という顧客の疑問に答えられるからです。

 就職活動の自己PRならば、採用担当の人が知りたいのは、「会社に入って、仕事を一生懸命に頑張っていくことができるかどうか、自分なりに経験をいかしていけるかどうか」です。従って、次のようなことからトピックから選ぶとよいでしょう。

・ 大学生活やゼミなどで主体的に取り組んだこと
・ 部活やサークル、アルバイトなどで頑張ったこと
・ 留学やボランティアなどの体験で得られたこと

●つながりを作って書く
 次のポイントは、つながりを考えるということです。それぞれの文につながりがないと、漫然とした印象になり、結局、何をアピールしたいのかがわかりません。


私は大学2年生から4年生まで、カフェでアルバイトをしていました。コーヒーの香りは人をリラックスさせる効果があるそうです。接客をするのは最初は慣れなくて、難しいことでした。学業との両立で大変なこともありましたが、いろいろな人がいらっしゃるカフェでの仕事は、覚えられることもたくさんありました。カフェでくつろぐ時間を楽しんでいただけるように心がけて、笑顔で接客をするように頑張りました。

 それぞれの文は短くまとまっていますが、カフェでの仕事の特徴と頑張ったことがつながっていないので、どこにその人らしさや頑張りがあるのか伝わりません。アピールできずに終わっています。

●文と文のつながりを作り、改善した自己PRの例


私は大学2年生から4年生まで、大学近くのカフェでアルバイトをしていました。大学から近いとはいえ、試験前など学業との両立で大変なこともありました。それでも決まった日程で欠勤せずに頑張りました。オーナーからコーヒーの香りは人をリラックスさせる効果があると聞きました。接客では笑顔を心がけて、くつろいでいただけるように働きました。お客様から「いつも笑顔の挨拶がいいね」と、声をかけていただいたのが嬉しい思い出です。

 どうでしょうか。アルバイトで何をし、どのように頑張ったのかがわかるようにつながりを作っています。欠勤せずに頑張ったことと、笑顔での挨拶がお客様からの評価につながったことを盛り込んで組み立てています。

 ブツブツと細切れに情報を盛り込むのではなく、流れを作ること。それによって相手が理解しやすくなります。
 目的と読み手に合わせて、情報を絞り込む。そして文と文のつながりを意識して、組み立てる。これで文章がぐんと読みやすくなります。是非、自己紹介や自己PRを書くときに、意識してみてください。