新年度が始まり、今年も企業の新入社員研修でビジネスライティング研修を担当しました。新型コロナウイルス感染がおさまらず、昨年に続いてオンラインによる研修です。
研修では、新社会人として知っておくべきビジネス文書の書き方や、わかりやすく伝える文章技術について1日かけて学びます。読み手に伝わる構成を考え、手を動かして演習し、他の受講者が書いたタイトルや文章を読みます。考える、書く、評価するといった、文書に関する視点を理解し、体験することで、わかりやすく書くコツが身につきます。
わかりやすく伝える文章技術の中でも、すぐに実践できて、効果の高いポイントとして、「1文を短く書くこと」を繰り返し伝えます。長い文章は、何が書いてあるのかがすぐに理解しくいもの。短く区切ってあれば、1つずつ情報を処理しながら読んでいけるので、読み手にも負担をかけません。
実用文では「1文は50文字以内を目安に短く書くこと」と、テクニカルコミュニケーション協会が発行する『日本語スタイルガイド』で示されています。テクニカルコミュニケーション協会は、取扱説明書やマニュアル、使用説明を作成するメーカーや制作会社の担当者が参加する業界団体です。
短い文章がわかりやすいと思っても、たくさんある情報をまとめて伝えたいために、ついつい文が長くなっている文章は、身近なところにも数多くあります。
具体的な例を見てみましょう。以下は、「マイナンバーカード総合サイト」にあるマイナンバーの説明文です。