伝わる文章のライティング技術(4)

わかりやすく書くコツ② 重要なことを先に書く

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 テレワークやオンライン授業が実施され、メールを使ってやり取りする機会が増えています。非常勤で担当している情報関連科目で、受講している学生たちに、どのようなコミュニケーションツールを使っているかを聞いたところ、友だちとはLINEやTwitter、Instagramのメッセージを使い、大学からの連絡の確認や担当の教員とのやり取りはメールで、と使い分けていることがわかりました。

 相手によって使い分けているといえ、普段、使っているのはメールではなく、メッセンジャーのようです。ビジネスのコミュニケーションツールとして必須のメールを本格的に活用するのは社会人になってから。これでは、メールの書き方に自信が持てない新入社が多いのも無理がありません。
 ビジネスメールは、読み手にわかりやすく伝えることが求められます。ライティングコラムのわかりやすく書くコツの2回目としてお伝えしたいのは、「重要なことを先に書く」ことです。

 文章を書くときには、構成をあらかじめ考えてから書くと、読み手に伝わりやすくなります。決まった用件を特定の人に伝えるビジネスメール文は、書き出す前に構成を考えましょう。

 わかりやすいメール文は、次のように組み立てます。

相手にしてほしいことを簡潔に書く:最も重要なこと

補足的な説明や理由を書く

してほしいことに関する期限や具体的な方法を伝える

 一方、わかりにくいメール文は、先のような組み立てと逆になっていることが多いものです。いわゆる「起承転結」になっていて、結論が最後になっている、次のような文章です。

件名:ミーティング資料準備のお願い

グループメンバー各位

前回の定例グループミーティングでは、具体的なデータを参照して、検討が必要ということになりました。分担も決めましたので、各自、検討用の資料を作成することが必要です。皆さん、忙しいこととは思いますが、各自、準備をお願いします。
添付ファイルにある分担を確認し、ミーティングの前日までに資料を作成し、共有フォルダに入れておいてださい。よろしくお願いします。

 どうでしょうか。「ミーティングで使う資料を前日までに作成し、共有して欲しい」ということが、伝えたいことです。上の例では、最初にこれまでに経緯を述べ、分担が決まっていることなどを説明した後で、何をすべきかが書かれています。これでは、「何を? いつまでに? どうする?」と言った情報が、素早く読み取れません。

 そこで構成を組みかえ、「前日」といったあいまいな表現を具体的に書き換えたものが、次の改善例です。重要なことを整理したら、不要な部分が出てきたので削除もしました。

●改善例:わかりやすく構成を変えて、表現を書き換えたメール例


件名:ミーティング資料準備のお願い

グループメンバー各位

次回、5月11日の定例グループミーティングに向けて、資料作成を各自、お願いします。
ミーティングで決めた分担表を添付いたしますので、確認の上、作成してください。
ミーティングの前日、5月10日までに共有フォルダに入れてください。よろしくお願いします。

 どうですか? すっきりと整理され、何をしてほしいかが伝わりやすくなりました。

 口頭では、先に状況や理由を伝えてから、してほしいことを話すこともありますが。メールを含むビジネス文書では、相手にして欲しいこと、最も重要なことを最初に伝えます。そうすれば、読み手は用件がすぐにわかります。仕事もスピードアップします。

 「何を伝える? 大事なことは?」といった情報を書く前に整理をし、構成を考えましょう。伝えたいことが、ズバリと伝わる文章になります。